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環境エネルギーと原子力を学ぶ学生による原子力Q&A
nucqa.exblog.jp
遠隔地(主に関東地方)での妊婦や乳幼児に対する影響はどうなのでしょうか?
[質問]
東京23区に在住する、現在妊娠21週(6ヶ月)の妊婦です。

昨日15日に3号機付近で放射性物質400ミリシーベルトが確認され、東京でも通常の20倍の放射能量が観測されましたが、政府からは「健康に影響を及ぼす数字ではない」という発表がありました。
これは、妊産婦や乳幼児についても「影響が無い」という理解でよろしいのでしょうか?
現在の原発の状況も含めて、どのような対応をしていればよいのか、不安を覚えています。
ご回答いただけると大変有り難いです。どうぞよろしくお願いします。

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[回答]
現在東京で観測されている放射線の量は,妊婦や乳幼児に影響を与えると考えられる放射線の量と比較してかなり低い値であるため,影響はないという理解で問題ありません(3/16,15時時点).
ただし今後、状況が変化する可能性もありますので,政府や自治体および医療機関等からの指示には十分留意してください。

詳しくは以下のリンク先の資料等をご覧ください.
http://www.rea.or.jp/wakaruhon/honbun/No10honbun.pdf
以下,引用です.

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放射線による胎児への影響については,これ以下の線量なら影響がないという“しきい値”が存在するのかどうかは関心のもたれるところですが,広島・長崎のデータおよび医療被ばく,動物実験などのデータによると,次のようなしきい値が認められています.
 妊娠初期 胚の死・・・・・・・・50ミリシーベルト (動物実験)
 8~15週 重度知恵遅れ・・・100ミリシーベルト (人のデータ)
 器官形成期 奇形・・・・・・・150ミリシーベルト (動物実験)
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注意して頂きたいのは,精神的な不安が胎児に影響を与えることがあると考えられていることです.妊婦の方々には,政府や医師の情報を信じて,なるべく安心をしていただきたいと思います.不安なことがあれば,速やかに医師にご相談ください.

医学的な情報については,放射線医学研究所に特設サイトもありますので,そちらもご利用ください.一般の方からの電話での問い合わせも可能です.そちらでわからない単語等があった場合には,可能な限り回答しますので,疑問点は遠慮なくお寄せ下さい.

http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i3
http://www.nirs.go.jp/index (電話での問い合わせ情報)
by n_i_2011 | 2011-03-16 15:45 | 放射性物質の影響・被害
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