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環境エネルギーと原子力を学ぶ学生による原子力Q&A
nucqa.exblog.jp
水道水を飲んでも内部被ばくはないのでしょうか。
【ご質問】

福島県災害対策本部の発表に福島市の水道水に放射性物質のヨウ素とセシウムが検出されたとの発表がありました、原因は福島第1原発の爆発が原因ではないかとの事です検出された放射性物質の量が微量なので健康には問題ないとの事ですが、水道水を長期間飲み続けても大丈夫なのか?放射性物質を体内に取り込めば内部被曝を起こし健康に悪影響を及ぼさないか疑問です体内に放射性物質を取り込めば細胞を長期間破壊する可能性が高いと思いますがはっきりした数値の発表は無かったと思います、水道水を飲んでも内部被曝は無いのでしょうか。分かり易く内部被曝の危険性の解説をお願いします。

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【回答】

「被ばく」という語句は「放射線を浴びること」「放射線に曝されること」を意味します.そのため,今回ヨウ素やセシウムが検出された水道水を飲めば,内部被ばくをすることになります.ただし,普段食べている食品にも放射性物質は少し含まれており,その意味では普段の生活でも内部被ばくしていることになります.重要なのはその量ですので,「内部被ばく」という言葉だけでなく,想定される被ばく量に注目して確認するようにしてください.

放射性物質が体内に取り込まれた場合,
 ①その物質が崩壊(=「放射線を出して他の物質に変化すること」)して消滅する
 ②体外に排泄される
のいずれかによってその量がなくなるまで,内部汚染は継続します.そのため,体内に長期間にわたって残留する放射性物質は,一般的に内部被ばくも大きくなります.
①については「半減期」という物理量でその消滅の速さが決まります.②については物質の化学的な性質や生物的な重要度等によって,身体のどの部位にどの程度の期間存在するかが決まります.これらを総合的に判断して,「実効線量係数」というものがICRP(国際放射線防護委員会)から発行され,必要に応じて更新されています.この実効線量係数を使うことで,内部被ばくの総合的な影響,つまり内部汚染をしてから将来受ける被ばく線量(=「預託実効線量」)が評価されます.

これまで検出されたいくつかの放射性物質に関する評価例については,食品安全委員会の以下の報告等をご覧ください.

http://www.fsc.go.jp/sonota/
emerg/emerg_genshiro_20110316.pdf


預託実効線量の計算方法等については,以下の文部科学省の“環境放射線データベース”のサイトをご覧ください.

・預託実効線量の計算方法
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/
food2/Help/yotaku_guide_keisan.html

・預託実効線量の計算例
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/
food2/Help/yotaku_guide_keisanrei.html


内部被ばくの詳しい情報については,「緊急被ばく医療研修」の以下のサイトをご確認ください.
わかり難い用語等があれば,またご質問ください.

・内部汚染の評価方法
http://remnet.webcdn.stream.ne.jp/
www09/remnet/lecture/b05_01/2_2_4.html

・内部汚染で問題となる核種とその特徴
http://remnet.webcdn.stream.ne.jp/
www09/remnet/lecture/b05_01/2_2_5.html

# by n_i_2011 | 2011-03-22 21:52 | 放射性物質の影響・被害