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環境エネルギーと原子力を学ぶ学生による原子力Q&A
nucqa.exblog.jp
カテゴリ:放射性物質の影響・被害( 48 )
放射能の強さ(Bq)の換算について教えてください。
【ご質問】

1986、チェルノブイリ以降1988年出版の「放射能はなぜこわい」にあった資料に、日本での「ほうれん草」「原乳」「水道水」の『最高値』(ヨウ素131)がありました。
ほうれん草=10.3pci/g 原乳=678pci/l 水道水=44pci/lこれをベクレルに換算してみて頂きたいのです。
私は素人なので1キュリー=370億ベクレルという式を使い3.11 東北地震に関する原発関連の情報にもアップしてみましたが、自信がないので、よろしくお願いします。

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【回答】

単位の換算ですが,1キュリー=370億ベクレル(3.7E10 Bq)で正しいです.p(ピコ)は10E-12(10のマイナス12乗)なので,1pCi=0.037Bqになります.以上の関係から,それぞれ以下の通りになります.
 ①ほうれん草=10.3pci/g = 0.381 Bq/g
 ②原乳=678pci/l = 25.1 Bq/l
 ③水道水=44pci/l = 1.6 Bq/l
一つ注意して頂きたいのは,報道では多くの場合に単位にBq/kgを使っている点です.その単位に合わせると,
 ①ほうれん草=10.3pci/g = 0.381 Bq/g = 381 Bq/kg
 ③水道水=44pci/l = 1.6 Bq/l = 1.6 Bq/kg
となります.ただし,原乳については密度がわからないため,ここでは換算していません.
by n_i_2011 | 2011-03-22 21:55 | 放射性物質の影響・被害
水道水を飲んでも内部被ばくはないのでしょうか。
【ご質問】

福島県災害対策本部の発表に福島市の水道水に放射性物質のヨウ素とセシウムが検出されたとの発表がありました、原因は福島第1原発の爆発が原因ではないかとの事です検出された放射性物質の量が微量なので健康には問題ないとの事ですが、水道水を長期間飲み続けても大丈夫なのか?放射性物質を体内に取り込めば内部被曝を起こし健康に悪影響を及ぼさないか疑問です体内に放射性物質を取り込めば細胞を長期間破壊する可能性が高いと思いますがはっきりした数値の発表は無かったと思います、水道水を飲んでも内部被曝は無いのでしょうか。分かり易く内部被曝の危険性の解説をお願いします。

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【回答】

「被ばく」という語句は「放射線を浴びること」「放射線に曝されること」を意味します.そのため,今回ヨウ素やセシウムが検出された水道水を飲めば,内部被ばくをすることになります.ただし,普段食べている食品にも放射性物質は少し含まれており,その意味では普段の生活でも内部被ばくしていることになります.重要なのはその量ですので,「内部被ばく」という言葉だけでなく,想定される被ばく量に注目して確認するようにしてください.

放射性物質が体内に取り込まれた場合,
 ①その物質が崩壊(=「放射線を出して他の物質に変化すること」)して消滅する
 ②体外に排泄される
のいずれかによってその量がなくなるまで,内部汚染は継続します.そのため,体内に長期間にわたって残留する放射性物質は,一般的に内部被ばくも大きくなります.
①については「半減期」という物理量でその消滅の速さが決まります.②については物質の化学的な性質や生物的な重要度等によって,身体のどの部位にどの程度の期間存在するかが決まります.これらを総合的に判断して,「実効線量係数」というものがICRP(国際放射線防護委員会)から発行され,必要に応じて更新されています.この実効線量係数を使うことで,内部被ばくの総合的な影響,つまり内部汚染をしてから将来受ける被ばく線量(=「預託実効線量」)が評価されます.

これまで検出されたいくつかの放射性物質に関する評価例については,食品安全委員会の以下の報告等をご覧ください.

http://www.fsc.go.jp/sonota/
emerg/emerg_genshiro_20110316.pdf


預託実効線量の計算方法等については,以下の文部科学省の“環境放射線データベース”のサイトをご覧ください.

・預託実効線量の計算方法
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/
food2/Help/yotaku_guide_keisan.html

・預託実効線量の計算例
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/
food2/Help/yotaku_guide_keisanrei.html


内部被ばくの詳しい情報については,「緊急被ばく医療研修」の以下のサイトをご確認ください.
わかり難い用語等があれば,またご質問ください.

・内部汚染の評価方法
http://remnet.webcdn.stream.ne.jp/
www09/remnet/lecture/b05_01/2_2_4.html

・内部汚染で問題となる核種とその特徴
http://remnet.webcdn.stream.ne.jp/
www09/remnet/lecture/b05_01/2_2_5.html

by n_i_2011 | 2011-03-22 21:52 | 放射性物質の影響・被害
福島第一原発の核燃料がすべてむき出しになったとして、何キロ以上離れた地点なら安全なのですか?
【ご質問】

福島原発が保有する核燃料すべてがむき出しの線源となったと想定して、距離による減衰を考慮すれば何キロ離れた地点で人体に影響がないといえる線量になるのでしょうか?自然条件など様々なパラメータによるとは思いますが、理想条件でかまいませんのでご教授ください

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【回答】

核燃料には多くの放射性物質(放射線を出す物質)が含まれています.放射性物質からは,α線,β線,γ線と呼ばれる放射線が主に放出されます.この中でα線やβ線はモノを透過する能力が低く,建物などの一般的な構造物があればその多くは遮蔽されます.また空気中を移動するだけでもある程度減衰されるため,放射性物質の位置が固定されている場合は,遠距離では問題にならないと考えられます.遠距離で一般に問題となるのは,モノを透過する能力が高いγ線です.

ただし,「核燃料すべてがむき出しの線源」となった場合にも,その線源(=放射性物質)が福島第一原発に固定されている場合には,放射線が遠距離に到達するまでには建物などの一般的な構造物を数多く透過しなければなりません.γ線は密度の大きいものを通過する場合に減衰が大きく,鉛などが遮蔽の用途に使われることが多いですが,コンクリートでもその量(厚み)が総量として十分にあれば,高い遮蔽効果が期待できます.そのため,「核燃料すべてがむき出しの線源」を考えた場合にも,例えば現状の避難区域(20km,3/21 12時現在)以上の区域に,人体に影響の出る放射線が到達することは現実的には考えにくいです.

しかし,この評価は,放射性物質の位置が固定されていることを想定したものです.実際は,ヨウ素やセシウムなどの気体になりやすい物質は,容易に拡散・飛散します.つまり,放射性物質の位置が移動することになります.結果として,福島第一原発に全ての放射性物質が集まっている場合と比べて,遠距離の地域への影響は大きくなります.現在,福島県周辺地域で確認されている放射線の多くは,拡散・飛散した放射性物質によるものと考えられます.このことは,一部農作物からヨウ素などが検出されていることからも確認できます.
そのため,実際には,福島第一にある放射性物質からの放射線よりも,飛散・拡散してきた放射性物質からの放射線の影響の方が遠距離では強いということになります.よって,このむき出しの固定された線源という想定は,放射性物質放出による現実の影響とは大きく異なる結果を与えると考えられますので,その点はご注意ください.
by n_i_2011 | 2011-03-22 21:43 | 放射性物質の影響・被害
内部被ばくをした場合、線量などの検査はできるのでしょうか?
【ご質問】

福島原発近辺以外の地域から放射線が通常より高い数値で測量できるという事はその場所には放射性物質が飛散してきてるという事ですか?また内部被曝をした場合、線量などの検査は出来るのでしょうか?

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【回答】

政府発表や報道によると,水道水や農作物からも検出されているとのことであり,放射性物質が飛散してきていると考えられます.
内部被ばくについては,「ホールボディーカウンター」など,それを評価するための機器や方法があります.詳しくは,以下のサイトをご確認ください.

・緊急被ばく医療研修:内部汚染の評価方法
http://remnet.webcdn.stream.ne.jp/
www09/remnet/lecture/b05_01/2_2_4.html


・緊急被ばく医療研修:緊急被ばく医療ポケットブック
http://remnet.webcdn.stream.ne.jp/
www09/remnet/lecture/b05_01/index.html

by n_i_2011 | 2011-03-22 21:39 | 放射性物質の影響・被害
厚生労働省の食品放射能規制の暫定基準値はWHOのものより高いようですが、どうしてですか?
【ご質問】

WHOの基準はヨウ素もセシウムも区別せず全体で1Bq/L、ドイツはさらにその半分だそうですが、その辺りをどうお考えですか?

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【回答】

以下の資料によると例えば水については,,WHOのガイダンスレベルではヨウ素131が10Bq/Lの程度,セシウム137が10Bq/Lの程度であるようです.
http://www.who.int/water_sanitation_health/
dwq/GDW9rev1and2.pdf

以下ではWHOの基準について少し説明します.ドイツについては適当な資料が入手できなかったため,回答は控えさせてください.

上記資料によると,WHOのガイダンスレベルは,「預託実効線量」(内部汚染をしてから将来受ける被ばく線量)が年間で0.1mSv以下になるように設定されています.また,これは日常的な正常な状況での基準であり,緊急時で汚染を受けている場合に適用されるものではないことも記載されています.今回は緊急時であるため,政府が暫定規則値を出したと考えられます.

今回の政府の暫定規制値については,食品安全委員会の資料に詳しい記述があります.
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/
emerg_genshiro_20110316.pdf

詳しくは資料の問3を見て頂きたいと思いますが,ICRP(国際放射線防護委員会)が勧告した放射線防護の基準(例えば放射性セシウムの場合は,実効線量が5mSv/年)をもとに指標が定められているようです.この基準が,前述のWHOガイダンスレベルで参照されている0.1mSv/年よりも高いため,結果として暫定規制値はWHOのガイダンスレベルより高くなったと考えられます.
by n_i_2011 | 2011-03-22 21:35 | 放射性物質の影響・被害
水道水を飲んだ場合の内部被ばくの影響について教えてください。
【質問】

福島県災害対策本部の発表に福島市の水道水に放射性物質のヨウ素とセシウムが検出されたとの発表がありました、原因は福島第1原発の爆発が原因ではないかとの事です。
検出された放射性物質の量が微量なので健康には問題ないとの事ですが、水道水を長期間飲み続けても大丈夫なのか?
放射性物質を体内に取り込めば内部被曝を起こし健康に悪影響を及ぼさないか疑問です。
体内に放射性物質を取り込めば細胞を長期間破壊する可能性が高いと思いますがはっきりした数値の発表は無かったと思います、水道水を飲んでも内部被曝は無いのでしょうか。
分かり易く内部被曝の危険性の解説をお願いします。

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【回答】

下にリンクのある静岡新聞の記事を見る限り,以下の量の報告があったようです.
 ・場所:県原子力センター福島支所(同市方木田)の施設の水道水
 ・日時:3/16,午前8時
 ・検出量(水1キログラム当たり)
   ①ヨウ素131⇒177Bq *国の摂取基準値:300Bq
   ②セシウム137⇒58Ba *国の摂取基準値:200Bq
"Bq"というのはベクレルと読み,放射性物質の放射線を出す能力を表す単位で,1秒間に1つの放射線を出す場合が1Bqです.大きいほど,放射線を出す能力(=放射能)が強いことになります.

この新聞で報道されている値については,直ちに健康に影響が出る量ではないと考えられます.ただし,追加で県内全域政府や研究所による調査も検討されているとのことですので,政府・自治体からの最新の発表を確認するようにしてください.(3/16現在)
*静岡新聞(3/16),http://www.at-s.com/news/detail/100010789.html

内部被ばくがないかという質問ですが,これについては被ばくの可能性はあります.ただし,「被ばく」というのは「放射線を浴びる」という意味の語句ですので,被ばくをしたら健康に影響がでるというわけでは必ずしもありません.被ばく量がどの程度であるかが,健康影響を評価する上で重要になります.国の摂取基準値や指示は,健康影響を考えて設定されていますので,それに従うようにしてください.過剰に反応して水を摂取しない等は,別の健康影響につながる可能性もあるため,冷静にご対応ください.

詳しくは,以下のリンク先の食品安全委員会の説明をご覧ください.
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/emerg_genshiro_20110316.pdf

また,放射線医学総合研究所のサイトにも有益な情報が多くあります.
http://www.nirs.go.jp/index.shtml
by n_i_2011 | 2011-03-18 16:39 | 放射性物質の影響・被害
放射線量だけで安全性を語れる理由は何ですか?飛散する放射性物質は考慮しなくてよいのでしょうか?
【ご質問】

放射線量と放射性物質とは危険性が違うと解釈していますが、爆発時に放射性物質がチリに舞って周囲に飛び散ったように思います。そういう危険性は考慮せずに放射線量だけで安全性を語る理由をご説明ください。

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【回答】

環境中の放射線量の増加を測定することは,爆発時に飛び散った放射性物質からの放射線も測定している事になります.そのため基本的には,環境モニタリングの数値から安全性を語ることが出来ます.

内部被ばくについてのご質問でしたら,現在まとまった説明を準備中です.お待ちください.
下記のサイトにも多くの有用な情報がありますのでご参考ください.

食品安全委員会
http://www.fsc.go.jp/sonota/
emerg/emerg_genshiro_20110316.pdf


放射線医学総合研究所
http://www.nirs.go.jp/index.shtml
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i3
by n_i_2011 | 2011-03-18 15:07 | 放射性物質の影響・被害
放射性物質が風下方向で人体に影響の無い濃度に薄まるにはどの程度の距離が必要でしょうか?
【ご質問】

蒸気爆発や水素爆発によって放射性物質の粉塵が発生した場合、粉塵は風に乗って拡散しますよね。(海水経由は人体へ影響を及ぼすのに時間がかかりますよね?)粉塵は徐々に拡散、あるいは地面に付着して薄まって行くと思います。
風下方向で人体に影響の無い濃度に薄まるにはどの程度の距離が必要でしょうか?500kmを超えて広がる可能性もありますか?
ちょっと原子力とは関係ない範囲の質問かもしれませんが、もしわかれば教えてください。

蛇足ですが、安易な評価はするべきではないかもしれませんが、事象が発生してからでは遅いこともあるのではないでしょうか。今回の地震や津波も想定外としばしば弁明されていますが、「想定外の事が起きる可能性がある」事は想定するべきだと思います。重大な事ほど、悪い方向で評価しておくのが防災の原則と思います。
皆様は学生さんということなのでさらに蛇足を重ねますが、M9の地震や10mを超す津波は予測できていました。また、地質学的な予測なんて、まだまだ精度は低く、信頼するに足りない事もわかっていました。単に、不都合だから黙殺されてきただけです。私は地質屋ですので、そのような事態を許した事には一抹の責任を感じます。

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【回答】

放射性物質の拡散については,その種類,天候,放出の形態等に大きく依存します.それらの状況に不確実性が大きいため,現状では正確なお答えはできません.また,500 kmのように長距離になれば,評価に含まれる誤差も大きくなります.そのため,モニタリングを中心に評価が進められるものであると考えられます,

以下は他のQ&Aでもあげさせて頂いたいものですが,あくまでも推測ということでご理解ください.
評価する方法としては,SPEEDIという計算コードなどが開発されています.そちらの例題から推定値を求める事ができるかもしれません.
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/index0301.html
例えば,図形出力一覧のによると,発生地点(発電所)から7,8km離れると,100分の一の被ばく量になることが分かります.ただし,これはあくまでも推測であり,風向きや天候に大きく左右されることは,重ねてご注意をお願いします.

そのほかのご指摘もありがとうございます.「想定外のことが起きる可能性」の想定などについては,今回の事故が終息した後に,議論があると思います.
ただ,今はまだそういった時期ではないと思われますし,今回のブログの目的からも外れますので,回答は控えさせて頂きます.
by n_i_2011 | 2011-03-18 01:15 | 放射性物質の影響・被害
ヨード剤とは何ですか?どのように入手すればよいのですか?
【質問】

政府が対策として配布するというヨード剤とは何でしょうか? どこで入手できるのでしょうか? いつどのように使えばいいのでしょうか?

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【回答】

ヨード剤とはヨウ素が含まれる薬剤のことで,「安定ヨウ素剤」,「ヨウ素剤」と呼ばれることもあります.放射性ヨウ素が呼吸などにより体内に入ると,甲状腺に放射性ヨウ素が蓄積することで体内で被ばくします(内部被ばく).
このとき,あらかじめ安定ヨウ素剤を服用しておくことで,放射性ヨウ素の蓄積を抑制することができます.ただし,放射性ヨウ素による被ばく以外に効果はないので,これだけで被ばくが防げるわけではありません.使用については,ヨウ素剤を配布する行政機関や医師にご確認ください.

<ヨウ素について>
原子炉から万が一,核分裂生成物質が放出された場合,放射性ヨウ素(ヨウ素-131)は、最も多く含まれる放射性物質の一つです.また,気体であるため大気中に広範囲に拡散しやすい上,呼吸や飲食により体内に摂取された場合に臓器内に吸収されやすいため,内部被ばくを起こす可能性もある物質です.放射
性ヨウ素が甲状腺に溜まり,結果として甲状腺がんを誘発する恐れもあります.

<効果>
内部被ばくを防ぐ方法として,被ばくする前に放射性ではないヨウ素(ヨウ素-127)を十分に服用し,それ以上のヨウ素を体が吸収しないようにさせることが効果的です.こうすることにより,呼吸や飲食によって放射性のヨウ素-131が体内に入っても,臓器内には吸収されず,内部被ばくの量を減らすことができます.ただし,放射性ヨウ素による被ばく以外に効果はないので,これだけで被ばくが防げるわけではありません.使用については,ヨウ素剤を配布する行政機関や医師にご確認ください.
また,アレルギー等の副作用もあるようなので,屋内退避等によって放射性ヨウ素を吸い込まない様にすることが,最も基本的で重要な対策であることはご留意ください.

<注意>
消毒剤やうがい薬などのヨウ素を含んだ市販品は、『ヨード剤』の代わりに飲んではいけません.消毒剤やうがい薬は内服薬ではないため,身体に有害な作用を及ぼす可能性もあります.また,海藻等を食べても十分な効果は得られないと考えられています.海藻に含まれるヨウ素は消化過程が必要であるため,吸収までに時間がかかります.

<参考>
原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について,原子力安全委員会
http://www.nsc.go.jp/bousai/page3/houkoku02.pdf

(関連リンク)
http://www.nirs.go.jp/data/youso-2.pdf
http://www.geocities.co.jp/wallstreet/1795/datugenpatu/991226yousozai.html
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/interna_heal_j/isotope.html
http://www.fda.gov/Drugs/EmergencyPreparedness/BioterrorismandDrugPreparedness/ucm133711.htm
by n_i_2011 | 2011-03-17 23:16 | 放射性物質の影響・被害
半減期と放射線量の関係について教えてください。
【質問】

半減期という言葉が有りますが、これは例えばですが、100μSV/hの放射線を出す物質が有ったとして、その物質の半減期が10年、人体・土壌に対する影響が無くなるのが25μSV/hとした場合、汚染された地域に入れるようになるのは半減期+(半減期/2)で7.5年掛かると言う事でしょうか。

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【回答】

半減期は大きく二つの意味があります。
一つは物理的半減期です。放射性物質が放射線を出す量が半分になる時間を示します。
二つ目は生物または環境的半減期です。放射性物質が人体中または土壌などの環境中から薄まって半分になる時間を言います。

物理的半減期は、放射性物質の種類によって一つの値に決まります。一方で、生物的/環境的半減期は、環境(年齢、天候、土壌など)に依存します。そのため、汚染の影響がなくなる時間は、環境条件が決まらなければ評価することはできません。評価に不確実性も高く、継続的なモニタリングも必要になると考えられます。

恐らく、質問されている半減期は、前者の「物理的半減期」を意味されているのだと思います。
例えば、ある放射性物質(半減期10年)が100μSv/hに相当する放射線を出しているとします。この放射線の量が半分、つまり50μSv/hになるのにまず10年かかります。これが「半減期が10年」という意味です。さらにそれが半分、つまり25μSv/hになるのには、また10年かかります。つまり、半減期が10年であれば、100μSv/hから25μSv/hになるまで、合計で20年かかることになります。
ただし、汚染された地域の放射線の量は、前述の生物的/環境的半減期によっても減少していくという点は、重ねてご留意ください。

最後に、少し厳密な話をします。μSv/hなどの単位は、人体が放射線によって受ける量を示す単位です。そのため、科学的に半減期の話をする場合は、Bq(ベクレル)やCi(キュリー)の単位が通常は使われます。これは、単位時間当たりの壊変数(放射線を出す回数)を表わすものです。
by n_i_2011 | 2011-03-17 22:52 | 放射性物質の影響・被害